フランクの朝はゆっくりしている。集合時間前に別館いなしまへ訪ねると、いつもさわやかにシャワールームから登場して身支度をする。
滞在してから毎日、フランクは出会う人からの情報やものごとに関心を向け、関心を持ったらとことん、いろんな人やいろんなものを実際に見に出かけた。移動している最中、ふとすごく真剣な顔をする。そのときは、声をかけてはいけない気持ちになる。
今日も11時ごろに別館いなしまへ立ち寄ると、笑顔でオハヨウゴザイマス。とシャワールームから登場し、言葉たらずな英語で昨日の夜の話とかの談話をする。今日は、アンティークショップ(山陰民具)へ不要なものを川部さんに車を出してもらって取りにいった。あと、リサイクルショップにももう一度いきたいということで、立ち寄った。
どちらのお店の人も、とてもフランクのことを良く思ってくれて、サービスしてくれて、フランクもご機嫌に、いろんな交渉をする。(そしてそれがその交渉がすんなり通ったりする。)
お昼ごろ、明倫小学校のスタジオへ向かう。その前にホームセンター「いない」へ買い物にいくらしく、地図上で案内したら、遠い距離は近い距離かわからず、不安そうだったので一緒についていくことにした。この時間の明倫のまちはすごく暑い。帽子をかぶって、なるだけ日陰を通る。レオが真っ白な顔をしてよろける。
買い物をして、 そのまま小学校へ。小学校へ向かう途中、大きな鯉が泳いでる小川があって、そこで足を冷やして遊ぶ。大きな鯉はびっくりしてすごいスピードで逃げる。小学校へ到着すると、夏休みで退屈しているこどもたちがスタジオの前で待っていて、「マイ サポーターズ」とフランクは笑顔で迎える。私はスタジオの奥の部屋で作業を、こどもたちはゆっくり涼んでいると、汗だくのフランクがやってきて、休憩しにきた。こどもたちはスケッチノートを広げて、フランクを目で追った。
フランクがコップ2杯ぐらい水分補給をすると、こどもたちにゲームを教えた。もちろん英語で話してるんだけど、身振りやイラストで教えていて、こどもたちは不思議と理解していた。わからない子に補足して教えてる姿もあった。こどもたちは楽しそうにゲームを始める。
夕方になると、頭領やしょうごくんが立ち寄ってくれて、涼みながらフランクと話をした。 そうしたら、川部さんが仕事帰りにやってきて、海へ連れていってくれることになり、フランクは慌てて最後の作業をして、夕焼けが沈むころ、レオやこどもたちみんなでこの前と同じ海へいった。
海には満月の一日前で、まあるいお月さまと、反対側には夕焼けの太陽が向き合っていて、それはとても素敵な景色だった。別館いなしまへ帰ると、いなしまオーナーの親戚が釣ったさかなを頭領がさしみにしてくれて持ってきてくれた。そのままみんなで乾杯して食べた。毎日なんだかパーティみたいで、フランクはとても楽しそうだけど、きっと頭の中でいろいろ考えているんだろうと思う。