2012/09/14

明倫小学校のこどもたちによる土ねんど作品づくり

椎名さんのスタジオは明倫小学校の校舎の一部を使っているのもあって、夏休みが終わった今では、椎名さんのスタジオはこどもの出入りが多い。こどもたちにとっては、いつもの小学校舎の玄関口で、ヒゲの生やした人が一生懸命なにかをつくってるとしか思えないし、ましてや、犬の十二神将をつくってるとなると、たぶん理解がむずかしいだろう。だけど、そんな椎名さんに声をかけてくれるこどもたちもいて、「まだ出来ないのー?」とストレートな言葉を投げてきては「まだだよー」と申し訳なさそうに返事をしたりしてるらしい。

ある日、椎名さんが「こどもたちには、いつも僕の作品を見てもらってばかりなので、今度は僕がこどもたちみんなの作品を見てみたい」と提案をくれた。 校長先生にお願いすると陶芸を体験するいい機会だということで協力をしてもらえることができ、急遽全学年のこどもたちが土ねんど作品をつくる授業が始まった。9月11日から14日まで学校へ通い、授業内に椎名さんが先生になって土ねんどの作品を作った。

椎名さんは、『土ねんどで作った作品を最後に焼きます』 と説明すると、『えーー!』と反応するこどもたちがいて、『紙や人間、ものは焼くと灰になるけど、粘土は焼くと硬くなる性質があるんだよ』と説明を続けた。全学年も『生き物』をモチーフに作品をつくったが、低学年には、土ねんどに触れること、焼きあがるまでの体験、生き物をイメージしてカタチにすることを重点に声をかけて、高学年には、生き物の写真をみながらつくることでしっかり観察した上で見えない骨格や裏側をカタチづくること、焼き上がりを想定して計画して取り組むことを重点に声をかける。


椎名さんは毎回「部品をくっつけるには、粘土にギザギザをいれて、水をつけてくっつける。そのあと、指で馴染ませる。」この作業が彫刻の基本になっているようで、こどもたちも見よう見まねで取り組む。



 椎名さんは、「かわいいのができたね〜」とこどもたちの作品をいろんな角度からほめる。ほめるというよりも、ナンパしてるようにも見えるほど、うっとりしてこどもたちの作品を見てる。こどもたちの無垢な手癖とか、想像力が相当おもしろいんだろうな。
学年によって、微妙にものごとの捉え方は本当に違いがあって、かつ、ひとりひとりも作品の姿勢に違いがあって、おもしろくなってきました。
後はこれらの作品を焼いて、どうなって出てくるか。わくわくします。
作品は展覧会でも展示する予定ですのでお楽しみに!